2004年の知的財産法制度の改正

 2003年、日本政府は「知的財産戦略会議」という組織を設置しました。これは「知的財産立国」を実現するという日本政府の基本構想を下に組織されたものであります。その構想の下、2004年の1月及び4月に、特許法、著作権法、不正競争防止法、そして手続法が大きく改正されました。
 近年におけるコンピュータソフトウェア関連の発明やビジネスモデル特許関連の発明に特許の保護が与えられるのに続き、画期的な改正法が以下の様に2004年の1月と四月に施行されます。

特許の出願手数料が大幅に減額(審査手数料は多少増額)
無効審判手続への統合による異議申し立て続きの廃止
人間を診察し又は治療する方法に対する特許の対象とすることの提唱
多様な生物関連発明の保護
映画やアニメーションの著作権の存続期間の50年から70年への拡大
ドメイン名やインターネット上の画像の保存に対する保護

 明細書、請求の範囲、及び図面の補正に関する審査基準も改訂され、この審査基準に基づく審査は2003年10月22日に開始されました。この改訂は1994年1月1日以降に提出された特許出願の申請書類に適用されます。その補正に関する審査基準の改正の概要は次のものです。

1. 補正を認められる基準が原本に記載された表現から自明な事項にまで拡大されました。

2. 請求の範囲を原本の記載に表現された発明の実施例だけでなく、原本の記載全体において表現されたものまで含めて保護する予定です。

 上記に付け加えて、知的財産権に関する訴訟手続における管轄権に関する規程も、訴訟手続を適正かつ迅速に行われるようにするため、修正されました。第1審の訴えは東京地方裁判所又は大阪地方裁判所に提起できるのみであります。また、控訴の訴えは東京高等裁判所に提起できるのみであります。これはアメリカ合衆国における巡回高等裁判所に該当するものあります。さらに、上告の訴えは最高裁判所に提起できるのみであります。これらの裁判所は知的財産に関する事件を取り扱う専門の部署を有しています。
 さらに、特許取得に掛かる手数料が減額されました。特許の出願費用及び出願費用が減額される一方で審査請求費用が増額されました。これにより、日本で特許を取得するのに掛かる全体の費用は減額されました。これにより、特許庁へ出願する者に、より戦略的に特許を取得する動機が与えられました。

 手数料修正についてのフローチャート

 @ 出願手数料  16,000円
A 審査手数料 168,600円+(4,000円×請求項数)
  B 年金
   第1年から第3年   毎年、 2,600円+(200円×請求項数)
   第4年から第6年   毎年、 8,100円+(600円×請求項数)
   第7年から第9年   毎年、24,300円+(1,900円×請求項数)
   第10年から第25年 毎年、81,200円+(6,400円×請求項数)
 (これが最も経済的であり、それ故最もお勧めできる場合であります。)
  @ 出願手数料  21,000円
  A 審査手数料  84,300円+(2,000円×請求項数)
  B 年金
   第1年から第3年   毎年、 2,600円+(200円×請求項数)
   第4年から第6年   毎年、 8,100円+(600円×請求項数)
   第7年から第9年   毎年、24,300円+(1,900円×請求項数)
   第10年から第25年 毎年、81,200円+(6,400円×請求項数)
 @ 出願手数料  21,000円
  A 審査手数料  84,300円+(2,000円×請求項数)
  B 年金
   第1年から第3年   毎年、 13,000円+(1,100円×請求項数)
   第4年から第6年   毎年、 20,300円+(1.600円×請求項数)
   第7年から第9年   毎年、 40,600円+(3,200円×請求項数)
   第10年から第25年 毎年、 81,200円+(6,400円×請求項数)



上記に示したように、日本において知的財産の保護は2004年に大きく強化されました。
弊所はこの皆様に日本で知的財産の保護を受ける機会を生かすことを強く推薦いたします。

2004年2月
弁理士 浜田治雄